2018年1月13日土曜日

【翻訳】ラップ・ミーツ・テクノ、エレクトロ小史を添えて

現代チップチューンの源流のひとつに「エレクトロ」という音楽ジャンルがあることを、拙著『チップチューンのすべて』において示しました。しかしながらエレクトロの歴史は、ここ日本ではいまひとつきちんと整理されていないというか、ジャンルの成り立ちをきちんと解説してくれるようなテキストは、少なくともWEB上には皆目見当たらないという現状があります。

もちろん英語圏には、優れたリファレンスとなりうるテキストがいくつか存在しています。以下に僕が勝手訳した「ラップ・ミーツ・テクノ、エレクトロ小史を添えて」も、そのひとつと言えるでしょう。これは現代チップチューンの成立とも関連する、1994~1995年の第一次エレクトロ・リバイバルの中で書かれたもので、当時の空気をまざまざと感じさせてくれると同時に、1984~1995年という「エレクトロ史の空白期」をうまく埋めてくれる貴重な文献でもあります。

もっともエレクトロのルーツに関してはだいぶ端折り気味です。ブルース・ハークもWarp 9もここには登場しません。またいくつか細かな間違いも散見されますが、なんにせよ貴重なエレクトロ史ガイドであることに変わりはありません。

なお文中で言及されている楽曲には、Youtubeのリンクを加えました。ご参考になりましたら幸いです。


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ラップ・ミーツ・テクノ、エレクトロ小史を添えて

(原題: “Rap meets Techno, with a short history of Electro”
                                            
   By Tim Haslett

ヒップホップ史における失われた物語、あるいは最も見落とされがちな時期──すなわちエレクトロ・ファンク。1995年はその復権が決定的となった一年だった。

その草分けとなったのはバーデン・ブラザーズ (Burden Brothers) と、彼らを世に送り出した430ウエスト (430 West) やダイレクトビート (Direct Beat) といったデトロイトのレーベルである。

これに続いたのは、イギリスにおいてイノベイティヴに活動を繰り広げるクリア (Clear) やエヴォリューション (Evolution) といったレーベルであり、アナーバーのエクトモーフ (Ectomorph) であり、コネチカットのキングサイズ・クルー (Kingsize Crew) であった。いまやレフトフィールド (Leftfield) までもが新曲 "Original" でファットボーイズ (Fat Boys) "Stick 'Em" をがっつりサンプリングしている。輝かしくありつつも頻々蔑まれてきたエレクトロ時代のヒップホップが、ついにあるべきところへと戻りつつあるのだ。

Leftfield "Original" (1995)
 
Fat Boys "Stick 'Em" (1984)

 エレクトロの起源は諸説あって、あれこれ細かく詮索してみても、たぶん得られるものはあまり多くないだろう。さしあたり入門者にはちょうどいいと言えるのは、アフリカ・バンバータ (Afrika Bambaataa) と彼の作り上げた "Planet Rock" の時代である。

Afrika Bambaataa and Soul Sonic Force "Planet Rock" (1982)

 そこまではいいとして、あのリバーブたっぷりな808パルスの後には、どういうものが続いたのだろうか。それについてはこれまで、詳しく語られることはなかった。

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"Planet Rock" のベースラインは、フロリダから無数に登場したフリースタイル・レコードの土台となっている。クラフトワーク (Kraftwerk) の輝けるジャーマン・エレクトロニクスを、アフリカ・バンバータが熱狂的で瞑想的な新しいマインド&ボディ・ミュージックに仕立てなければ、タグ・チーム (Tag Team) "Whoot! There It Is" も存在しえなかったに違いない。そのことに驚きはないはずだ。世界各地に散らばるアフリカ人たちがマスターし再発明した表現技術は、現代のエレクトロニック・ミュージックほぼ全域にわたって、中心的かつ計り知れない影響力を持っているのだから。80年代中盤に制作されたエレクトロニック・ミュージックは、途方もないイノベーションを生み出した。それ90年代のエレクトロ・ミュージックにおいても可能性の裾野を切り開いたということを、今あらためて知っておく必要があるだろう。


Tag Team "Whoomp! (There It Is)" (1993)

先見の明を見せたのは、クイーンズで活動するプロデューサ、マーリー・マール (Marley Marl) である。1984年の終わり頃、姉のベッドルームでレコーディングをしていた彼は、ふとしたきっかけでドラムマシンのスネア・ヒットをサンプラーに取り込んだ。これがドラムマシン・サンプリングの発祥である。この発見が後世にどれほど重大な影響を及ぼしたか、それを正確に測定することは不可能だ。

マーリー・マールはそれを用い続け、かつてなく狂気じみてアバンギャルドなエレクトロ・ミュージックのレコードを作り出していった。そうして生まれたのが、MCクレイグG (MC Craig G) "Shout" (Pop Art, 1986) や、スーパーキッズ (Super Kids)  "The Tragedy" (NIA, 1985) といった珠玉の逸品たちだった。

MC Craig G "Shout" (1986) 
Super Kids "The Tragedy (Don't Do It)" (1986)

マーリー・マールはスカしたラップとパリっとしたアナログ・キックドラムを、スクラッチ・ノイズの合間に分解することで、ルーツ・エレクトロからジェダイナイツ (Jedi Knights) まであらゆる連中に共通する基礎を整えたのである。テクノの源流としてクラフトワーク、イエローマジックオーケストラ (Yellow Magic Orchestra), ジョージ・クリントン (George Clinton) はよく知られているが、ヒップホップのきわめて深い影響については、ほとんど認識されてこなかった。

マーリー・マールがクイーンズブリッジでのプロジェクトにおいてドラムマシンの再定義を行っていたころ、その強力なライバルであるデューク・ブーティ&ラテン・ラスカルズ (Duke Bootee & The Latin Rascals) のチームも、エレクトロ・ファンクというジャンルの枠を押し広げようとしていた。ニュージャージー州エリザベスのビューティ&ザ・ビート (Beauty & The Beat) という、ブーティの強い影響下にあったレーベルでのことだ。そこから出た2枚のレコードが、地殻変動をもたらした。ジースリーMC (Z-3 MCs) "Triple Threat", そしてワード・オブ・マウス (Word of Mouth) DJチーズ (DJ Cheese) による "Coast To Coast" だ。

Z-3 MCs "Triple Threat" (1985)
Word of Mouth feat. DJ Cheese "Coast To Coast" (1985)

ここにおいてブーティ&ラテン・ラスカルズは、ハネたエレクトロニック・ドラムの多重奏という、古今例のなかったものを創り出した。従来のレコードはリズムの演奏が正確無比すぎて、本来あるべき「息継ぎできる一瞬の間」が存在していなかった。このとき生み出される大いなる一瞬から、ブレイクダンサーたちは一大ムーブメントを作り上げたのだ。ラップ・オ・マティック (Rap-O-Matic) "Lies, Lies" (Profile, 1985) のダブをぱっと聴くだけでも、リバーブのかかったハンドクラップやキックドラムが押し寄せてくるだろう。リンク (Link) "Antacid" (Warp, 1995) を強烈な現代型エレクトロ・トラックとみなしうるのも、そんなところからである。どちらのレコードも、アナログドラム・サウンドにできるぎりぎり限界のところと戯れている。あらゆる音に強弱や反転を付けたりして、ほとんど四次元の域に突入している。

 Rap-O-Matic Ltd. "Lies, Lies" (1986)
Link & E621 "Antacid" (1995)

ヴィンセント・デイヴィス(Vincent Davis) のヴィンターテイメント (Vintertainment) は198384年にかけ、ニューヨークのストリートに出現したきわめて急進的なミニマルエレクトロ・ヒップホップの拠点となったレーベルである。DJチャック・チルアウト (DJs Chuck Chill Out), レッドアラート (Red Alert),  ボーンスプリーム・アラー (Born Supreme Allah) がプロデュースした "Hip Hop On Wax" シリーズのレコード3枚は、史上もっとも激しくカット・アンド・スクラッチされたエレクトロである。削ぎ落とされた808のドラムパターンに裏打ちされたこれらのレコードは、実質的にニューヨーク・エレクトロを定義付けるものとなった。

D.J. Chuck Chill Out "Hip Hop On Wax Volume 1" (1984) 
D.J. Red Alert "Hip Hop On Wax Volume 2" (1984)
D.J. Born Supreme Allah "Hip Hop On Wax Volume 3" (1984)

これに続くBボーイズ (B-Boys) "2,3, Break" "Rock The House" をはじめとするリリースでも、同レーベルの過去作品と同様に、叩きつけるようなドラムの音が炸裂する。初期ヴィンターテイメントのリリースは今日のエレクトロ・プロデューサにも需要があり、ヒップホップがいい意味で方向感覚を持たなかった、ある輝かしい時代を象徴するものとして今日息づいている。

THE B-Boys "2,3,BREAK" (1983)
The B-Boys "Rock The House" (1983)

初期ギャングスタ・ラップが込み入ったエレクトロ史に刻んだ痕跡を聴きたければ、フィラデルフィアのスクーリーD (Schoolly-D) を聴くといい。"P.S.K." "Gucci Time" といったシャコタン自慢ラップのトラックは、ミニマル主義者のヒップホップを再定義するものとなった。

Schoolly D "PSK, What Does It Mean?" (1985)
Schoolly D ”Gucci time" (1985)

カナダを国外追放され80年代半ばにバンクーバーからニューヨークへと移住したカーティス・ジャリール (Curtis Jaleel) は、エレクトロの音色を超現実的ともいえる領域にまで革新した。彼はマントロニクス (Mantronix) 名義で活動し、"Bassline" "Needle To The Groove" といったスリーピングバッグ (Sleeping Bag) レーベルからリリースした初期のエレクトロ・ファンクにおいて、威勢のいい808のパターンに激アツでビヨンビヨンくるベースラインを加えたのである。

Mantronix "Bassline"  (1985)
Mantronix "Needle To The Groove"  (1985)

それはミニマルで硬直したランDMC (Run-DMC) のリズムとか、ファットボーイズ (Fat Boys) やドクター・ジェキル&ミスター・ハイド (Dr. Jekyll & Mr. Hyde) カーティス・ブロウ (Kurtis Blow) 用いた最低限なビートボックスとかとは、一線を画するものであった。マントロニクスが参考にしたのは、ザップ (Zapp)  がまるで未来を予見していたかのように生み出した "More Bounce To The Ounce" などである。

Zapp "More Bounce To The Ounce" (1980)

ティー・ラ・ロック (T LA Rock) "Breaking Bells" (Fresh, 1986) および "Back To Burn" (Fresh, 1986) は、マントロニクスにインスピレーションを得た作品だが、これらも10年前に作られたとは思えないほど新鮮かつ魅力的だ。彼の多才ぶりは、スタッカートの効いたエレクトロ・サンプル・アンセムであるハンソン&デイヴィス (Hanson & Davis)  "Hungry For Love" (Fresh, 1987) などの仕事でも証明されるところとなった。

T La Rock "Breaking Bells" (1986)
 T La Rock "Back To Burn (Long Version)" (1986)
Hanson & Davis "Hungry For Love" (1987) 

エレクトロの計り知れない影響が認知度を高めつつある現在、マントロニクスのリバイバルはそう遠くない将来に避けて通れないところとなるはずだ。マリンで現在も活動し続けるカッティング (Cutting) レーベルも、1980年代中盤に著しく影響力の高い曲をいくつか送り出している。インペリアル・ブラザーズ (Imperial Brothers) "We Come To Rock" ハシム (Hashim) "Al Naayfish (The Soul)" (リバーブの掛かった「イッツ・タイム」というスライドしていくヴォコーダ声は、誰もが記憶している)、ニトロ・デラックス (Nitro Deluxe) "Let's Get Brutal" などである。後者ふたつのモンスターたちは最近リミックスされ、UKのネットワーク (Network) レーベル経由できわめて大きな影響をもたらしている。この革新的なトラックたちのオリジンルバージョンも、ありがたいことに収録された。

Imperial Brothers "We Come To Rock" (1984)
Hashim "Al Naafiysh (The Soul)" (1983)
Nitro Deluxe "Let's Get Brutal" (1986)

ここまで見てきたように、ニューヨーク周辺はエレクトロが伸び始めた時期にその成長を支えていたのだが、影響力という意味では、同じ頃にボストン、マイアミ、LAから現れた音楽のほうがかなり重要だ。ボストンを本拠とするレコーディングエンジニア、アーサー・ベイカー (Arthur Baker) は、ニューヨーカーのジョン・ロビー (John Robie) と組んだ。このペアはふたつの、冷酷無比なエレクトロファンク・クラシックの制作を手伝った。背筋も凍るプラネット・パトロール (Planet Patrol) "Play At Your Own Risk" (Tommy Boy, 1984), ジョンザン・クルー (Jonzun Crew) "Space Is The Place" (Tommy Boy, 1984), また『パックマン』や『スマーフ』をサンプリングした一連のレコードも。

 Planet Patrol "Play At Your Own Risk" (1982)
The Jonzun Crew "Space Is The Place" (1983)
The Jonzun Crew ‎"Pack Jam (Look Out For The OVC)" (1982)

現在世に出ているエレクトロ・リバイバルのレコードほとんど全てに、フリースタイル (Freestyle) "Don't Stop The Rock" (Pandisc, 1985) の影響を垣間見ることができるはずだ。1985年、ベース時代以前のマイアミから生まれたこの音楽は、ヴォコーダ・ヴォーカルとファットな808ビートが流行する中でリリースされた。その轟きわたるベースパルスは最近、そこかしこに姿を現している。例えばRAC “Tangents EP” (Warp, 1994) などである。

FreeStyle "Don't Stop The Rock" (1985)
RAC "Quexos" [from Tangents EP] (1994) 

マイアミベース草創期に影響力を持ったトラックとしては、ダイナミクスII (Dynamix II) のスプーキーに魅せる "Give The DJ A Break" (Sun City, 1987) がある。8分間にわたって興奮の海へと突き落としてくれる曲である。

Dynamix II ”Just Give The DJ A Break” (1987)

LAにおける初期のエレクトロ・ムーブメントでは、テクノホップ (Techno Hop) やマコラ (Macola) といったレーベルが中心になり、その流通はとりわけUKに向かっていた。ダストブラザーズ (Dust Brothers) (今はもうケミカルブラザーズ [Chemical Brothers] といったほうがいいか) のような啓蒙家がチャートで自身のトップ10を挙げるとき、最近上位にいるのはDJバッテリー・ブレイン・アンド・ヴィシャスC (DJ Battery Brian and Vicious C) "8 Volts" である。1987年に作られた808のカット・アンド・スクラッチが、まるで燎原の火のごとく拡散している。

D.J. Battery Brain "8 Volt Mix" (1988)
  

アンノウンDJ & 3D (Unknown DJ & 3D) "Beatronic"  (Techno Hop, 1987) や、いまや伝説化しているエジプシャンラバー (Egyptian Lover) "Egypt, Egypt" のようなトラックも、メーン~カリフォルニア界隈の大きなパーティでは早々と必需品になりつつある。

Unknown & Three D "Beatronic (Ghetto Blaster Mix)"  (1984)
The Egyptian Lover "Egypt, Egypt" (1984)

ここ1年にわたるエレクトロ・リバイバルを先見するかのごとく出現したレコードもあった。デトロイトのダイレクトビート・レーベル経由で94年初頭に届けられたAUX88 "Aux Magnetic" のことだ(訳注:"Bass Magnetic"の誤りだろう)。ファットでワイドな808の打音、エレクトリック・ヴォコーダによるブレイク、分厚いアナログ・ベースライン。そんな三つの壁に包み込まれた一連の収録曲たちは、まるで異世界からやってきたかののようであり、疲れきったテクノ純粋主義者たちの耳には本当に衝撃的だった。マントロニクス、ダイナミクスII、クラフトワーク、サイボトロン (Cybotron) などの影響を下地とした一連の収録曲には、何があろうと止められない、間断なき勢いがあった。

Aux 88 "Bass Magnetic" (1993)

ダイレクトビートからのガツンとくる最新作は、ウィル・ウェブ (Will Web)  "Cosmic Drive-by" だ。ディープなキックを響かせる、エレクトロ番長とでもいうべきものである。

Will Webb "Mirrorshades" [from Cosmic Driveby] (1995) 

ロンドンのクリア、エヴォリューション両レーベルは昨年、このところのニュースクール・エレクトロで最も野心的といえるものをいくつかリリースした。クリアはリフレックス (Rephlex) レーベル (リチャード・ジェイムス [Richard James] の本拠地) から独立したクレア (Claire) が設立したレーベルで、その音楽は、テクノ界隈に高原の冷気のような衝撃を吹き込んだ。テクノを「聴いていて楽しいもの」へと回帰させたのだ。

現代型のエレクトロを語るとき、ジェダイナイツは欠かせない存在だ。アナログ&デジタル・エレクトロニクスの限界を、優れた手腕で押し広げ、そして超えていく。リンク "Antacid" のジェダイナイツ・リミックスには、「ドカンといきそうだ」と思わせるだけのものがある。いや、もちろんそうなる。

Link & E621 "Antacid (Jedi Knights Remix)" (1995)

アメリカでは "Theory Of Evolution" と銘打った素晴らしいコンピレーションが、ワックス・トラックス (Wax Trax!) / TVTから発売されたばかりである。これにはリロード (Reload), E621, ジェダイナイツほか多数のアーティストたちによる、素晴らしいエレクトロ・テクノが収録されている。ニューヨーク発の新進レーベル、オキシジェン・ミュージックワークス (Oxygen Music Works) は最近、両手を挙げて歓迎したくなるエレクトロ・ジャム集を4枚リリースした。”Bass Kittens EP” と銘打ったもので、プロデューサはサンフランシスコのジョン・ドラックマン (John Druckman) だ。
そこには真冬のマンハッタンを熱くさせるのに十分なエネルギーが込められている。一連の収録曲を前にじっとしていることは不可能だろう。

 Bass Kittens "Rat Patrol" [from Kittens Ripped My Flesh EP] (1995)

またイギリスで高い評価を受けているいたずらっ子ミキサー、ラヴダップ (LuvDup) も、パーラメント (Parliament) が最近カバーしたエリックB & ラキム (Eric B & Rakim) "Follow The Leader" に、そのエレクトロ魂を向けている。’Spyderman Get Fresh Mix’ がそれだ。

 Parliament, Funkadelic & P-Funk Allstars "Follow The Leader (Spydermen Get Fresh Mix)" (1995)

エレクトロに対する新たな興味は、デトロイトおよびニューヨークの音楽から大きな影響を受けたものだが、そこではない別の場所で先に開花しようとしている。サンディエゴのテイラー (Taylor), オーランドで名高いDJアイシー (DJ Icee, 彼のゾーン [Zone] レーベルが放つレコードは、エレクトロ・リバイバルに多大な貢献をしている)、トロントのジョンE (John-E) といったDJたちがエレクトロをプレイしている。どの街にも少なくとも一人はエレクトロ・サウンドを支持するDJがいるようだ。なかにはエレクトロ・クラシックの数々を幸運にも発売当時に入手しており、それをニュースクール・エレクトロ・セットの中で機能させている者もいる。

ヒップホップの見落とされた時代に対する興味が増すとともに、エレクトロの発展史と、身体を動かさずにいられない確かなパワーは何度でも再浮上してくるだろう。ヒップホップはもはや、DJを中心とするアートという本来の形態からは遠ざかってしまったが、テクノ愛好者たちの間で起きたエレクトロ・リバイバルは、DJを再びそのアクションの中心へと取り戻すことになるだろう。

--by Tim Haslett

【エレクトロ・クラシック12選】

1. Bassline/ Needle To The Groove - Mantronix (Sleeping Bag) 
2. 808 Beats - The Unknown DJ (Techno Hop)
3. Stick 'Em - The Fat Boys (Sutra)
4. The Tragedy (Don't Do It) - The Super Kids (NIA)
5. 2,3 Break - DJ Born Supreme Allah (Vintertainment)
6. Don't Stop The Rock - Freestyle (Pandisc) 
7. Give the DJ A Break - Dynamix II (Sun City)
8. Al-Naayfish (The Soul) - Hashim (Cutting)
9. We Dub To Scratch - The Imperial Brothers (Cutting)
10. Techno Scratch - Knights Of The Turntables (JDC)
11. Why Is It Fresh - DST (Celluloid)
12. Back To Burn (dub) - T LA Rock (Fresh)

【ニュースクール・エレクトロお勧め10選

1. Bass Magnetic - Aux 88 (Direct Beat)
2. Antacid (Jedi Knights rmx) - Link (Warp)
3. Subsonic Vibrations EP - Ectomorph (Interdimensional Transmissions)
4. Bantha Trax - The Tuscan Raiders (Clear)
5. Bass Kittens EP - Bass Kittens (Oxygen Music Works)
6. Follow The Leader (Spyderman Get Fresh rmx) - Parliament (Hot Hands)
7. There's Only One Thing (Kingsize Electro Dub) - Laura O (Dig It)
8. Al-Naayfish (The Soul) [rmx] - Hashim (Network)
9. May The Funk Be With You - The Jedi Knights (Clear)
10. Cosmic Drive By - Will Web (Direct Beat)

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※本稿の原文は1995年のStreet Sound Magazine誌に掲載されているそうですが、拙訳にあたってはネット上に転載されたものを参照しております(もし当該誌をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ご一報いただけますと幸いです)。

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